吉祥吉

ソムリエ中島の神戸牛日記Vol.2~「神戸牛と赤ワイン3種のマリアージュ」

今回取り上げさせていただく神戸牛は上図の⓬「シンシン」
モモ肉の深部にある「シンタマ」と言われるところのさらに芯にあたり柔らかな部分を切り出したものです。
磯上店では極上赤身という商品名で使用しており、非常にきめ細かな筋繊維・香り・甘みのバランスが良い部位です。
その神戸牛の赤身系の中でも繊細でエレガントな味わいの「シンシン」と、次の三種類のタイプが違う赤ワインと合わせてみたところ、意外に面白い顔をのぞかせてくれました。

今回セレクトしたワインは次の3か国のワイン3種
①2012年 アメリカ カリフォルニア      ピノノワール「ランチ32」
②2013年 フランス ボルドー         メルロー「ムートンカデ」
③2015年 オーストラリア  バロッサヴァレー シラーズ「ゲームキーパーズ」
①⇒②⇒③の順に軽⇒重と味わいは濃醇で重くなっていきます。

《各ワインの特徴》
ピノノワール・・・ライトボディでベリー系の魅惑的な香りとほのかに甘い樽香を最初に感じ、その         奥に少し森の下草の香りを漂わせています
メルロー・・・みずみずしい赤い小さな果実とエレガントな酸が合わさり、少し黒コショウのスパイ       スを感じる明るい味わいです
シラーズ・・・黒い果実のブラックベリーやプラムの香りと味わい。ブドウ由来の特徴であるスパイ       シーなニュアンスも感じられる。

ワインと合わせる神戸牛は、今回神戸ビーフ品評会で優秀賞を受賞した神戸牛を1頭買いしたものから切り出された「シンシン」という部位です。
見た目から、赤身と言いながらややサシは多めです。これは素晴らしい味わいが期待されます。
焼き加減は、神戸牛の甘さを活性化させ且つジューシーさを失わせないためにミディアムレア。
味わい方は5種。 1)まずは何もつけずに下味の塩・コショーのみ 2)わさびだけをオン・ザ・ビーフで 3)わさび+出汁醤油 4)わさび+ゲランドの塩(フランスブルターニュ産) 5)オニオンソース(吉祥吉オリジナルの淡路島産玉ねぎをたっぷりと使ったやや甘口のステーキソース)

さて、いざ出陣! じゃなかった、いざ試食&試飲。果たして結果は!?

ピノノワールは、当初神戸牛にこのクラスのピノノワールでは物足りないのではないかと思っていました。しかし、意外や意外。ドンピシャのマリアージュを感じました。神戸牛でも繊細な赤身の部位なので少し軽めのエレガントさが、とても心地よくマリアージュしていました。ジャムのような香りと樽のヴァニラ香が神戸牛の甘さをより一層引き立ててくれます。醤油やオニオンソースとは反発を感じましたが、わさびだけを載せて食べるとこれまた、ワインのアフターに感じられる森の下草のニュアンスがわさびの緑の香りを引き立てます。
メルローは酸味・果実味・タンニンのバランスが非常に良いワインです。これにはわさび+出汁醤油がとても良く合いました。醤油の持つ甘みと熟成香にワインが重なりエレガントな風味が口の中に広がります。舌に残る少しピリッとした黒コショウのニュアンスがわさびの風味と一体になって神戸牛の甘味を際立たせてくれていました。
シラーズ。このワインには濃厚なオニオンソースがマリアージュしました。バナナやリンゴの甘いフルーツの香りを加えたオニオンソースに、温暖な気候で完熟したブドウの果実味たっぷりに仕上がったシラーズが旨味を加えてくれます。神戸牛だけと合わせると、ワインの味わいが少し勝ってしまいました。

神戸牛は基本的に添えるソース・食し方などによってワインもセレクトしていくのがベターであると言えます。
当然部位によっても違いますが神戸牛の本来の素材の味わいを楽しむのであればミディアムボディくらいのワインで停めるほうが良いようです。
と、ここまで実験して考えてみると、肉と言えば赤ワインと決めつけがちですが、「そう、濃厚なタイプの白ワインも相性が良いのでは!」という考えが生まれてきました。新しい発見です。
今後、このコラムで「白ワインと神戸牛」についても取り上げていこうと思いますのでお楽しみに!

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