吉祥吉

こだわりの肥育方法

安全・安心の牛肉を追求するために牛の肥育にストレスは厳禁

牧場主を務める中西義徳さん
神戸牛生産者の中でも屈指の肥育農家として知られる「中西牧場」。牧場主を務める中西義徳さんの神戸牛づくりは、まず、素牛(仔牛)を選ぶところから始まります。競りに上がった仔牛は三代前まで血統をさかのぼり、骨格や筋肉の質を細かく確認。性格や健康状態までしっかりチェックします。気性が荒かったり落ち着きがなかったりするとそれがほかの牛たちの悪影響を及ぼす恐れがあるからです。牧場へ移した後も牛舎の様子を細かく見回り、エサの食べっぷりや牛舎内の床の乾燥状態、牛同士の相性を細かく観察。少しでも異変・異常を見つけたら、決してそのまま放置せず、すぐに適切な対策をとるようにしているそうです。
そこまで神経質になるのは、素人目には分からないささいなストレスさえ、その健全な肥育の妨げになるから。万が一、病気にでもなれば、投薬の必要性も生じるでしょう。人が口にするモノとしての「安全性」に執着する中西さんにとって、肉質や味の良さ以上に、肉の安心安全を脅かすほど不名誉なことはないのです。

肥育過程に応じた飼料コントロール中国産飼料は徹底排除

中西牧場のこだわりの飼料
もちろん与えるエサ選びにも、中西さんならではのただならぬこだわりが。例えば9~13カ月の牛には乳酸発酵させたコーンサイレージ、14カ月目以降は米国産のサイレージと成長過程によって飼料を使い分けているのは、肥育前期に当たる1年目を頑丈な胃袋をつくるため、後期の2年目を肉質向上のための時期と考えて、身体の仕上がりをコントロールしているから。そのときどきの牛の状態を見ながら微妙な調整を図り、自然の飼料を使って上質な霜降り肉を育てています。驚くのは、同じ飼料の塊の中からその色の出具合をチェックして、含まれる栄養成分を計算しながら配合量を変えているということ。ビタミン量が十分でないと思われる飼料は、あらかじめ日干しをしてから与えるようにしているそうです。また、スーダングラスなどの牧草はすべて低農薬のものを選び、農薬規制に懸念がある中国産飼料はいっさいの使用を禁止しています。

育ち方で「神戸牛」か否かが分かる!?極めて緻密な肥育計画

中西さんお気に入りの但馬牛と一緒に
完璧に整えられた肥育環境と緻密に計算された飼料配合によってのびのびと健やかに育てられた仔牛は、特徴的な細くふわふわとした毛並みを保ちながら、ほのかに艶がある、外見的にも美しい但馬牛へと成長します。枝肉になって初めて神戸牛か否かを判別される但馬牛ではありますが、「どのエサをどれくらい食べたか、体調変化はどうであったかなどその生育過程をつぶさに観察することで、ほとんどの場合、審査結果を予測することができる」と、中西さんは言います。そのことはつまり、毎年9割以上の神戸牛を輩出することができるのは、決して運や偶然などではなく、明確な肥育計画に基づいた緻密かつ合理的な取り組みの成果であることを示しているのです。

コラム

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